夏季講習
夏休みが近いせいか、家庭教師や学習塾の夏期講座の案内チラシの量が増えている。
家には子供はいないので、用が無いチラシではあるが、何気なく見ていたら、知っている人間の顔写真が出ていたので手にとって見た。ただ、どこで会った人なのかがすぐには思い出せなかった。妻にも聞いてみたが、彼女は知らないという。はて、どこで会ったのだったか?
上半身だけが写真に写った彼は、一見まじめで人柄も良さそうに思えた。少しだけ微笑んでいる顔は、好印象の部類に入るだろう。どうしても思い出せず、そのまま外出した。地下鉄に乗り、市役所前で地上に出てふと城跡公園の方を見て思い出した。
今年の花見をこの公園でやった時に、となりで大騒ぎをしていた学生たちの一団で、飲みすぎで急性アルコール中毒になり、救急車で運ばれていった青年、それが彼だったのだ。
すっきりはしたし、彼がちゃんと生きているということも確認できたので、それはそれでよかったのだろうけれど、何だか複雑な気分だった。
